式場広告は「ハード重視」から「共感」の時代へ

升の撮影をする折原氏(左)と、光の魔術師(中央)

升の撮影をする折原氏(左)と、光の魔術師(中央)

9月2本目の投稿。今週の月・火曜日の2日間で、クッポグラフィーの久保・折原(withアシスタント飯倉)は仙台の結婚式場へ広告撮影に行ってきました。

今日は、その式場広告撮影にまつわるお話をしたいと思います。

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クッポグラフィーの式場広告撮影は「開放」

クッポグラフィーは、式場広告撮影と言えど、レンズの絞りはめっちゃ開放です。開放はもちろん絞りのこと。実際の写真は納品前なのでお見せできませんが、これがLightroomのメタデータキャプチャです。ご覧ください。

※このブログは主にフォトグラファー向けの内容なので本来であれば専門用語の解説は省略して進みますが、ウェディング業界の方にも読んでほしい内容のためここでは少しだけ解説を。「絞り開放」というのは、一般の方も大好きな「背景がボケた写真」を撮ることができる設定のことです。でも実は、その代わりピントが外れやすかったり、画面全体の画質が下がる可能性があるリスクの高い撮り方で、広告撮影ではあまり使われることはありません。
絞りの数値にご注目

絞りの数値にご注目

そうなんです。絞りは開放f1.4からf2までを多用。普段の結婚式や前撮りと同じ感覚で撮影しています。ちなみにカメラはCanonの5D mark3です。

よく使うレンズは、シグマの85mm f1.4です。ARTではない、一つ古い型のものをまだ使っています。非ARTですが、発売時期はそこまで古くなく、写りも十分にシャープです。屋外で開放付近で使うとフリンジが出ますが、LRでフリンジ除去をしてでも絞りを開けることを優先しています。もちろん、LRで取り除けるレベルのフリンジであることを現場で確認してから使っていますので、そこはご注意ください。

ではなぜそんなにレンズの絞りを開けるのか。一言で言うと「絞り開放をやめたらクッポグラフィーらしさがなくなるから」です。

僕は、新しい仕事が来た時には必ず「自分たちに求められているものは何か」ということを考えます。

元々、式場広告撮影は広告カメラマンの仕事。本来であれば、うちなんかに頼む必要がない類の仕事なんです。ではなぜ、、、それは簡単。クライアントは、広告カメラマンが撮れなくて、クッポグラフィーが撮れる写真を求めているんですね。

それがわかっていないと、「わっ、式場広告撮影の仕事が来た」と焦って、この仕事をするには何が必要で、どういう風に撮影するのがポイントで、これをやっておけば間違いない、といった具合にいつもと違う撮影をしてしまう。そんな慣れないことをして、いいものが残せるはずがありません。じゃあ最初から広告カメラマンに頼むわ、という話です。

式場広告は「ハード重視」だった

式場の広告イメージを一新するプロモーション用のこの手の撮影は、昨年からよくお話をいただくようになりました。先にも触れましたが、式場広告といえば、いわゆる「箱」や「スペック」を見せる「ハード重視」の撮影だったので、これは広告カメラマンの仕事でした。

いかにその式場が豪華に見えるか。いかに広く見えるか。いかに開放的に見せられるか。そういうことばかりを主張する写真が並び、結婚情報誌は、面白いほどにほとんど同じような誌面ばかりになりました。なかなかに分厚いですが、本屋でページをパラパラとめくってみるとわかると思います。特に結婚式自体にそこまで興味を持っていない新郎さんなどは、どこも一緒に見えるのではないでしょうか。

では、なぜそんな類の撮影がクッポグラフィーに来るようになったかというと、どこも「ハード重視」の行き詰まりを感じてきたからです。それはそうですよね、誌面が全部同じに見えたら、「違いがわからない」「違いが出せない」、要するに「誌面の訴求力が足りない」という事態に陥って来たのです。「他と違う誌面を作りたい」これは広告を掲載する側の一つの願望だと思います。

ただし、もっと強い需要があるからこそ、うちに仕事が来ていると僕は思っています。それは一言で言えば「共感」だと思います。

「共感」の時代へ

新郎新婦さんは、結婚式場の豪華な披露宴会場の写真を目にしても、そこで披露宴をする自分の姿を想像できないんです。あるいは、ポーズキメキメのお姫様のようなソロショットを見ても、それを自分に置き換えることができないんですね。それなのに300万円も400万円もお金を出すでしょうか。

それよりも、本当にいい表情で結婚式を楽しむ様子を表したような、リアル感を感じられる写真が一枚あった方が、よっぽど新郎新婦は自分ごととして結婚式を捉えることができ、自分がそこで結婚式を挙げてゲストと楽しく一日を過ごすイメージが湧きますよね。だからこそのクッポグラフィー。自分たちへの依頼なのだと認識しています。それが「ハード重視」ではなく、人の心を動かす「共感」ということだと思います。

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まとめ

今回は、式場広告撮影を例に、クッポグラフィーの仕事との向き合い方や、今日(こんにち)の新郎新婦の心情をお伝えしました。複雑なライティングができなくても、「結婚式当日の撮影」という自分の得意分野を極めることで、広告の仕事などがくるような時代になっています。僕たちウェディングフォトグラファーにとっては、厳しく怒られて色々なものが投げられてくるような広告スタジオを出なくても、広告の仕事が舞い込んでくる良い時代になったと言えるかもしれません(笑)


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