披露宴会場におけるライティング! ~ 地明かりを作ろう編 ~

「新郎新婦、入場です!」
会場暗転、スポットビッカーッ。コントラストバッキーッ。

「それではここでお二人のプロフィール映像をご覧いただきましょう!」
会場暗転!… スクリーンと露出差ありすぎ。でもバウンスしたら雰囲気台無し。

これは、あるでしょ? みなさん同じ経験ありますよね? ということで今日は、

暗いゲストを照らし出せ! 目立たない2人を目立たせろ! 披露宴会場におけるライティング! ~ 地明かりを作ろう編

です。機材の使い方を紹介し、ライティングの判断要素を紹介し、やっと実践的な記事。張り切っていきましょう。

披露宴会場のライティングは、一つの記事にまとめようとしたらボリュームがありすぎたので、前編後編に分けてお届けします。今日は「披露宴入場」「映像上映中」の2パターンをご紹介。似たようなライティングを2つ紹介するので、覚えていただきやすいかなと思います!


その1:披露宴入場

まずは披露宴入場から。前回の2W1Hに沿って、最初に要点を箇条書きにします。

Why:会場が暗転をして新郎新婦にスポットがあたっているが、黒く潰れているゲストの雰囲気や画の奥行き感を出すために当てる。

Where:暗転しているゲスト全体。

How:ゲストのエッジを出すために、会場端においてカメラ側に向けるようセット。できるだけ高くして全体に光を回す。ストロボは直当て逆光。

Why、Where、は説明するまでもないかとおもいますのでHowの部分を詳しく解説します。ではまず地明かりだけのカットから。

披露宴入場時のストロボライティング

ホテルやゲストハウスであればどこの披露宴会場も、だいたいこの地明かりになるはずです。これの何が嫌いかというとゲストが真っ暗で全然ディティールがわからないところ。ではストロボを入れてみます。

披露宴入場時のストロボライティング
behind the scene

behind the scene

入れてみました。左側から一灯です。解説は下記に。

ストロボ有り無しを比較してみて「入れないほうが好き」という人も結構いると思います。なぜ僕が入れるかというと「ゲストの視線が二人に集中している様子がわかる」「会場のディティールがわかる」「黒く潰れた部分を起こすことによって写真として奥行き感と立体感をだせる」から。

他にも、僕が新郎新婦側だったら「ゲストがどんな雰囲気で自分たちを迎え入れてくれた」というのがわかったほうが嬉しいなと思い、このライティングにしています。このカットの時に注意することは下記の通り。

  1. キャプテンへ、お二人の動線確認(新婦様の顔が撮れるポジションの確保)

  2. PAさんへ、入場時の地明かり確認(スポットが入るタイミング、地明かりが残るのかどうかなど)

  3. スポットの位置と動き方の確認(天井から吊ってあるムービングなのか、地面においてある手動のスポットなのか)

この3つは必ず確認します。スポットの露出は本番時じゃないとわからないので、お二人が入ってくる → 扉のところで一礼してちょっとストップする、という時間の間に、

  1. スポットに合わせて露出を決める

  2. その露出に合わせてストロボの出力を決める

という作業をします。あとはお二人の動きに合わせながら撮影するだけ。

このライティングは入場だけでなく中座や退場など、現場がスポットだけになるシーンであればだいたい通用しますので、応用してみてください。


その2:映像上映中

映像上映中を解説します。映像は「映像が流れているスクリーン」「見ているゲストの引き/寄り」の3カットが押さえられればOKかと思いますので順番にご紹介しましょう。スクリーンのカットは上記の新郎新婦入場とほぼ同じなのでわかりやすいかと思います。

Why:会場が暗転をして映像が流れているがゲストや会場の雰囲気が全くわからないため。

Where:暗転しているゲスト全体。

How:ゲストのエッジを出すために、スクリーン側からカメラ側に向けるようセット。光源を見せたくないので高さはあまり出さずにゲストの頭で隠せる位置を取る。ストロボは直当て逆光、照射角は広め。

生いたち映像

ノンストです。ここにストロボを入れてみます。

生い立ち映像
behind the scene

behind the scene

入れてみました。理屈は、前撮りで定番の「二人の後ろから一灯」と同じ。

スクリーンの位置はメインテーブルのほぼ真上だったので、メインテーブルにカメラ側を向けてセットしてあります。効果としては入場時の狙いと同じで、ゲストや会場の雰囲気を出せるようにしてあります。映像中の注意点は以下2つ。

  1. 映像の長さの確認(引き、寄りを撮る時間配分)

  2. 映像から入場がつながっているのかの確認(つながっている場合は上映中に入場用のライティングのことも考えないとなので)

オープニング映像の場合は、ほぼ100%入場とつながっているので、2は必ず意識しないといけないですね。この画を撮った後、ゲストの表情を撮りにいきましょう。

それと、このライティングが使えない会場の特徴を紹介しておきます。それは「天井が低く、さほど広くなく、壁と天井が白い会場」です。狭くて白い会場ってことなんですが、スクリーン下に同じようにセッティングしても、壁と天井が近いのでバウンスされてしまいスクリーンの映像が消えてしまうんですよね。なので、このライティングが使えるのはある程度大きな空間のある会場、もしくはバウンスが効かない会場だと覚えておいてもらうのがいいです。

では次にゲストの画を。ですが、上記の会場とは別の会場のサンプルです。

Why:上記と同じ。

Where:上記はゲストのエッジを、このカットはゲストの表情を。

How:会場右側にあった白い柱にバウンスさせて全体に回す。

生い立ち映像を見るゲスト

会場右側に白い柱があったのでそこにストロボをバウンスさせて全体に光を回しました。この時に天バンしてしまうと通常の歓談となんら変化がないので、できるだけサイド光を作るよう意識してます。このまま寄りを撮ると…

生い立ち映像を見るゲスト
生い立ち映像を見るゲスト
behind the scene

behind the scene

男性のカットはカメラ後ろにライトがある状態なのでフロント気味の当たり方。女性のカットは半逆光っぽい当たり方。どちらのカットも先ほどの引きのライティングから動かしていません。でも、どちらもそんなに気にならずに使えるカットだと思います。寄りと引きでいちいちライトを動かすのは面倒なので、一箇所で撮れる場所にライトをセッティングできるといいですね。

地明かりがないなら、シーンにあった地明かりを作る。

今回は暗転した披露宴会場に対応する地明かり作りを見ていただきました。どちらのシーンもバウンスに頼ってしまうと変化がなく一辺倒な画が続くだけになってしまいますよね。それを回避するためにシーンに沿って地明かりを作れば、雰囲気を壊さず、そこにひと工夫したような画が撮れます。

次回は今回と逆のパターンで、地明かりはあるけどスポットがなくてぼやっとしている。窓ガラスでかすぎてエッジがふっとびまくる。というような状況に対応するためのライティングです。ということで披露宴会場ライティングの後編

暗いゲストを照らし出せ! 目立たない2人を目立たせろ! 披露宴会場におけるライティング! ~ スポットを作ろう編 ~

をお届けします。ではまた次回!